韓国政府による被害者認定に関するコメント(2006年6月)



待望の名誉回復の日を迎えて

 私たちは1942年6月、朝鮮全土から3千余名が日本軍の俘虜監視員として強制徴用され、南方各地の俘虜収容所に配属になり、俘虜の管理業務に従事しました。
 戦後、軍務中の責任を転嫁され、連合国の軍事裁判により、BC級戦犯に処断、23名が死刑、125名が有無期刑に処されました。
強制徴用とは言え、生命を賭して抗日運動を闘った烈士のことに思いを致し、祖国解放の喜びも共有できず、祖国建設にも何ら寄与することなく、民族的負い目を痛感してきました。
 この度、韓国政府は、日帝強占下強制動員被害真相糾明等に関する特別法に基づき、韓国政府は、私たちBC級戦犯者の強制徴用・戦時下の実態・戦後の処遇などを調査し、強制動員の被害者であることを認定しました。
 戦後60余年もの間負わせられ続けてきた「対日協力者」「親日派」の汚名を返上し、名誉回復することができました。韓国政府のご配慮に心から感謝し、併せてご多用中、大使から直接認定証を伝達いただき、大変光栄です。
 無念の思いで刑死された友人、そのご遺族や関係者に報告したいと思います。
 他方、日本政府は、私たちにあらゆる犠牲を強要しながら、刑は「日本人」として服役させ、援護と補償はいわゆる「国籍条項」によって一切排除し、誠意なく放置していている状態が継続しています。
どう考えても不条理です。日本政府に対する謝罪と補償を求める運動は歴代内閣に35年間、裁判は8年有余、立法を求める運動も6年以上にわたり、同進会の運動の歴史は昨年半世紀を越えましたが、いまだに日本国による名誉回復は実現していません。
 日本の立法府は、司法の付言判示にある「立法政策の問題である。立法化措置の必要性を促している」を真摯に受け止め、早急に立法化措置を講じていただくよう切に訴えます。

2006年6月20日

    韓国・朝鮮人元BC級戦犯者「同進会」 会長 李鶴来(イ・ハンネ)
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